有給休暇を取らせたくない管理職と取らない社員
社会人になって働いていると、なかなか休みが取れないということに最初のうちは戸惑いました。
有給休暇がたくさん余っているのに、なんだか休めない。
他の人たちは、休みたくないのか?なんて思ったものです。
毎日働いて、週休2日で土曜と日曜日だけ休み、たまに祝日があればみんなきちんと休みを取る。
年末年始も、ゴールデンウィークも、盆休みも、ある程度まとまった休みになると、ここぞとばかりに行楽地へ行ったり、旅行へ行ったり、楽しそうに過ごす。
でも、有給休暇は使わない。
おかしなものですよね。
目次
年次有給休暇
年次有給休暇は労働基準法で認められている権利ですね。
その権利を行使しないことが当たり前になってしまっている現状があります。
働き方改革関連法案で、残量時間の上限が決められたり、強制的に5日の有給休暇を消化させたりと、いろいろな手を打ってきています。
実際の声は
仕事がら、いろいろな企業の社長や管理職の方だったり、または工場の現場で働く方などと話す機会が多い職で働いていますと、いろいろな声が聞こえてきます。
今回は主に、中小企業の方に聞いた声をまとめていきたいと思います。
現場の声
現場で一番の働き手となっている人たちの声は決まって、もっと休みたいというものです。
しかし、社内の空気が、自由に休めない雰囲気を作り出しています。
その空気を読み、従うことで、会社に忠実な社員としての評価を上げることになります。
しかしこうした人たちは、権利として与えられた有休を、結果として何十日も何百日もドブに捨てることになるのです。
そうした方が利口だと考え、有休を捨て去ることを自ら選んでいるのです。
実際に、1年間全く休みを取らなかった社員に対して、皆勤賞だとして褒め称えるという話も耳にしました。
有休を取得するもしないも個人の自由ではありますが、休みを取らないことがまるで良いことであるかのように褒めるのは、意図的に意識付けを行っているようにも感じますね。
管理職の声
ある一定以上の年齢の管理職以上の方になってくると、自身がいままで有給休暇などほとんど取らずに、一生懸命に働いてきたんだという自負があります。
会社を休むということは、悪いことなんだという意識が非常に強く感じられます。
当然、社員には少しでも長く働いてもらって、稼いでもらわなければなりません。
会社員がなんのために働いているかというと、会社の業績を上げるためだからです。
そのためには、休まずに働いてもらうことが最善と考えるの当然なのかもしれませんね。
実際の有給休暇
現在の有給休暇の使い方というのは主に3つありますね。
- 冠婚葬祭
- 病気
- 退職時の有給残の消化
この3つに当てはまる休暇については、誰も文句を言う人はいませんね。
逆に、この3つの理由以外で休むことは、あまりよく思われないのが現状です。
しかし、休みを取りたい社員側では、いろいろと考えて苦肉の策を講じる場合もあるようですね。
対策
会社に雇われて働く以上は、業績を上げることが課せられた義務となります。
その義務を全く果たすことなく、ただ休みたいんだということも道理に外れているということを考えながら、それでも権利を行使することも同時に果たしたいものです。
休んでほしくない管理者側と、休みたい側双方の言い分が合致する地点は数少ないですが、存在しないわけではありません。
- 有給休暇を取っても文句を言われないほどの好業績を上げる
- なし
2番手にあがる理由がないほど、この1点につきると考えます。
実際に、会社から期待されている以上の業績を上げる社員は、かなり有給休暇を取得している傾向があるようです。
働き方改革の骨子は、
- 労働生産性を上げる
- 長時間労働を避ける
- 出生率を上げる
- 格差をなくす
- 働き手を増やす
といったものですね。
この要旨に合致する手段としても、有効だと思います。
労働生産性を上げ、好業績を上げることで、長時間労働を避ける。
自由に有給休暇が取得できるようになれば、子育てへの不安も解消されることになり、出生率を上げるということにもつながることになりますね。
まとめ
中小企業と大企業ではまた、休暇に対する考え方が大きく違ってきていますね。
休暇取得を推進したり、残業していることが問題視されたりすることもあります。
そうした考え方が早く浸透すればいいと思いますが、中小企業においては実際にはある程度世代交代がなされた少し先のこととなりそうです。
そうした状況の中でも、まず必要なのは自身の実力を高めて、社内での地位を確立していくことです。
そうして実力がつけば、条件のいい会社へ移ることも可能となってきます。
有給休暇取得について考えていくと、そうした結論にいきつくのではないでしょうか。