ハラール認証の肉があることは分かったけど、それってどんな肉なの?
イスラム教徒の友人や隣人、知り合いがいると、必ずハラールという言葉を耳にすることになると思います。
それでなくても、テレビや雑誌などからハラールという言葉を知る機会も増えているのではないでしょうか。
ハラールといえば、多くの場合はイスラム教徒が食べることができる食品を指します。
イスラム教徒(ムスリム)は豚肉が食べられません。
「でも、ほかの肉なら食べられるんだよね?」
そう思っても、ほかの肉であってもハラール認証された肉でないと食べることができないんです。
少しややこしいですね。
ハラール認証の肉とは
では、ハラール認証された肉というのはどういうものでしょうか。
それは、イスラム法に則って食肉処理された肉を指します。
では詳しく見ていきましょう。
まずイスラム法とはなにか。
イスラム法
イスラムの聖典であるコーラン(クルアーン)と、預言者ムハンマドの言行をを元にして、イスラム法学者達が解釈をして、作った法律というわけです。
アラビア語で「シャリーア」といいます。
では、そのイスラム法に則った食肉処理とはどんなものなのか。
定義:食肉処理
シャリア法に則って行われ、気管、食道、頸動脈、経静脈を切断して出血を促し、動物の死を早める食肉処理行為。
http://www.shokusan-sien.jp/sys/upload/166pdf31.pdf
この定義から分かるように、動物の死を早めることで、動物を苦しませずに殺そうということですね。
具体的には、どういう屠殺の方法になるのでしょうか。
イスラーム法に則った屠殺の条件:
- 屠殺する者が、その資格を有していること。つまり、屠殺を意図した、分別あるムスリム、あるいは啓典の民(ユダヤ教徒/キリスト教徒)であること。
- 屠殺する器具が適切なものであり、ナイフのように出血させることが可能で、鋭く切れること。動物の頭部を衝撃と重みによって殺したり、電気ショックのような燃焼エネルギーによって殺したりする器具を用いることは、禁じられます。
- 屠殺する手を動かす際、「ビスミッラー(アッラーの御名において)」と言って、アッラーの御名を唱えること。
- 屠殺で切断すべき箇所を、切断すること。それは、以下のものです:食道。喉。2本の血管(頚動脈・頚静脈)。あるいは、これら4つの内の3つを切断します。
これらの条件が揃ったら、屠殺した動物はハラールとなります。これらの条件の内、1つでも満たしていないものは、ハラールとは見なされません。
と、あります。
つまり、
- 屠殺する人がムスリムかキリスト教徒かユダヤ教徒であること。
- 鋭く切れる適切な器具であること。
- 屠殺する手を動かすときに「ビスミッラー」と唱えること。
- 切断すべき箇所を切断すること。
の4つをすべて満たすことが条件となります。
屠殺の際に苦しみながら死んだ動物の肉というのは、血は不純なものが混じったり、その肉を食べると体に悪いものが入ったり病気になったりする、と信じるムスリムもいるようです。
その真偽は定かではありませんが、苦しみながら死んだ動物の肉を食べるというのは、決して気持ちいいものではありませんよね。
目の前に出された肉から、生前の牛や鶏を想像する人はまずいないと思いますが、自分が口の中に入れて、その栄養を吸収して自分の体ができているのだと思うと、少し興味を持ってみてもいいかもしれませんね。
まとめ
普段、何気なく食べているお肉。
おいしいですよね。
ただそのお肉がどういう過程を経て、自分の口に入っていくのか。
少し想像してみると、気になってしまいますね。
ハラール認証は、動物は苦しませず、人間が安全に食べることができるように配慮されたものだということがお分かりいただけたでしょうか。
食の安全が強く意識される今、ハラール認証の安全性がより注目されます。