あおり運転に遭遇してしまったらどうすればいいの?
あおり運転が原因の死亡事故が起こってから、なにかと注目されるようになったこの「あおり運転」というワード。
ニュースでもたびたび取り上げられるようになりましたし、YouTubeなどのメディアにも危険運転が映し出された動画がアップされるなど、社会問題となっています。
車を運転する人はもちろん、運転しないという人でもいつ助手席にいるときに遭遇するか分からないこのあおり運転。
高速で移動している自動車の中という特殊な状況で起こる最悪の事態は、人を恐怖に落とすものですし、まさに命に係わる大問題です。
遭遇してから考えも遅い、そんなあおり運転について、今から考えておきましょう。
あおり運転の被害
平成29年の交通事故死亡者数は、3,694人。
昭和45年の16,765人から徐々に下げていって、平成23年以降の統計で最少となりました。
しかし、最近のあおり運転の検挙数といえば、1週間で1,000件超にのぼるなど、交通事故死亡者数が過去最少とは言っても、素直に喜べない状況のようです。
ではあおり運転というのは、どういうパターンがあるのか考えてみましょう
- 後部から幅寄せでのあおり
- 前方からの急ブレーキなどのあおり
- 接触
- 衝突
- クラクションでのあおり
- ハイビームのあおり
- 道をふさぐ
- 停止させてからの社外誘導
など、考えてみるとさらにいろいろなパターンがあるのではないでしょうか。
運転中に、顔の見えない相手からのこうした攻撃は、かなりの恐怖を感じるものです。
それでなくとも、クラクションの音などは警戒を促すものなので、聴く側の人間の心をかき乱します。
真後ろからハイビームを当てられ続ければ、恐怖とともに集中力を失い大変危険です。
パターンとして多いと言われる極端な幅寄せでのあおりを受けたときに、正常な精神状態で運転を続けることは難しいのではないでしょうか。
なぜあおり運転をするのか
あおり運転をする人間というのはどういう人なのでしょうか。
頭に血の上りやすい若い男性に多いとか、渋滞でみんながイライラしている状態で起こりやすいなどの調査結果もあるようですが、それでも「一概に言えない」というのが現在のところの結論のようです。
つまり、分からない、ということですね。
普段は穏便な人が、ハンドルを握った途端に人が変わったように気が強くなって、ガンガンスピードを出すなんていう話はよくあります。
でも、普段から気の強い人も同じくスピードを出す人もいるでしょうし、ちょっと気にくわない車があれば、軽い気持ちで煽って気晴らしをすることもあるでしょう。
あおる側の気持ちというのを考えてみると、その時に感じているストレスのはけ口として、ほかの車に当たっているのではないかと思います。
横の車が強引に車線変更してきて、自分の前に入り込んできたとか、前の車のブレーキが急だったので危うくぶつかりそうになった、などのヒヤッとする瞬間というのは運転する人であればだれでも経験しますよね。
そうした経験をしたときに、危ないからもっと車間距離を空けておこう、と素直に考えることができればいいのですが、運転に慣れている人ほど自分なりの運転ルールを持っているもので、そうしたマナー違反が許せない傾向もありますね。
そうした時に、怒りにまかせて後ろから幅寄せして前の車をあおったりして、自分の怒りのぶつけてしまうなどして、あおり運転につながることもあります。
対策
では、あおり運転に遭遇してしまったらどうすればいいのかということですが、警察庁のホームページでは、SAやPAなどの交通事故にあわない場所に避難して、110番をするように指導があります。
当然の話ですが、あおり運転を根絶することができれば問題解決ですが、車があるかぎりあおり運転や危険運転はなくなりません。
安全な場所まで行って110番できれば、それが最善ですね。
ではあおりを受けている最中はどうでしょう。
誰かが助手席にいるのなら、運転中であっても110番をかけたいところです。
一人だった場合には、少しでも早く安全な場所まで行って車を止めて、110番するのがいいですね。
あおりを受けている最中というのは、平常心を保つことはとても難しいと思われます。
あおられているからと言ってスピードを上げることはせずに、逆に少しスピードを落として、心を落ち着けることに専念したいところです。
このとき、ドライブレコーダーがあれば記録を残しておけるので、より心に安心が生まれますね。
さらに、停車してからは、ドアロックをしっかりとしましょう。
興奮した相手がなにをしてくるか分かりませんよね。
まとめ
自動車の運転というのは、ひとつ間違えるだけで簡単に人の命を奪うものです。
だからこそ、あおり運転の加害者にも被害者にならないために、日頃の運転に気を付けなければいけないですよね。
- 時間に余裕を持って出発する
- 車間距離を十分に保つ
- 十分な睡眠を取って運転に臨む
これらができれば、無理な運転をすることもなくなりますので、誰かにあおられる危険も減らせますよね。
将来的には、自動運転の発達やAI制御による事故防止機能などで、あおり運転は減っていくのではないかと思いますが、完全に機械任せにできる将来はまだ先のことですので、今は自分の身を守るために、車の運転には十分気を付けていきたいですね。